大崩山(おおくえやま) 宮崎県延岡市 標高:1,643m

山情報

圧倒的な存在感を誇る登山者憧れの山 大崩山 標高:1,643m

写真:袖ダキ展望所から眺める大崩の岩峰 撮影:シェルパスタッフ


九州は、阿蘇山に代表される火山や九州山地などの深い樹林の山などが多い中で、「大崩山系」は花崗岩の大岩壁によって形成された山系です。その山系を代表する大崩山は、登山はもとよりロッククライミングや冬のアイスクライミング、沢登りも楽しめる九州の登山愛好家の憧れであり、全国に誇れる九州の山です。最近はある程度、ルートや標識等も整備されて、登りやすくなってきました。それでも、安易に入山することはできない山です。
その圧倒的の岩峰と魅力的なルートは、アルプスなどの山にも引けを取らない満足感を与えてくれます。

大崩山の魅力

大崩山は花崗岩の岩峰が織りなす景色と岩峰の上からの壮大な眺望が魅力です。その岩峰を存分に楽しめる登山ルートも、登山者を魅了してやみません。春にはアケボノツツジやミツバツツジ、シャクナゲとピンクの花が白い岩壁に映えます。初夏にはササユリの香りが漂い、秋には紅葉の艶やかさ、冬には雪景色と四季を通じて、登山者を惹きつけます。また三里河原と呼ばれる祝子川の上流は、素晴らしいナメの連続するエリアが広がり、清涼感いっぱいで夏は訪れる人々で賑わいます。

また大崩山の下を流れる祝子川では「九州3大ゴルジュ」の一つ「祝子川ゴルジュ」があり、沢登りをする方々にとっても憧れです。当然のことながら、危険度は高いですが、その点も挑戦したくなる気持ちを掻き立てます。

登山シーズン

春から晩秋までが最も適したシーズンです。ルートによっては10時間近くかかるので、日が短い時期は早立ちを心掛けてください。冬はルート上の岩場が凍りついたり、渡渉地点が雪や氷で埋まっていたりと入山自体が出来ないことが多いです。冬場は入山自体を控えることをお薦めします。※春先にも上部の岩場に残雪があり滑りやすいので要注意です。

大崩山の注意点

■渡渉について
大崩山に登るには鹿川(ししがわ)側からと祝子川(ほおりがわ)側からのルートがありますが、大崩山の岩々を眺める最も迫力のあるルートが祝子川側からのルート(ワク塚~坊主尾根)です。しかし、このルートは渡渉する必要があります。
悪天候による増水等で渡渉自体が不可能な事も多いので、天気の悪い日は入山を控えましょう。
入山当日の天気が良くても、その前の数日間に雨が降った場合などは注意が必要です。
大崩山は花崗岩で形成された山で、雨天時の増水ペースも激しいため、途中で土砂降りに見舞われてしまった場合などに戻ってこれなくなることもあります。そのため、天候などは十分に考慮して入山することを心がけましょう。

■ルート上の注意
ワク塚~坊主尾根のルートは、一枚岩のロープ登りやはしご登り、また岩壁のトラバースと気の抜けない場所の連続で、ミスをすると命にかかわります。また思わぬ時間がかかることもありますので、十分な時間的余裕と情報を持って入山しましょう。日帰りでもヘットライトと充分な量の水は必需品です。

■ルートファインディングについて
大崩山の名が示すように、岩場等が崩れることによってルートが不明瞭な箇所を歩くことも多いです。読図や現在位置の確認などがしっかりと行えなければ、思わぬ遭難事故などに繋がります。

■初心者だけで入山しないこと
登山ブーム等の後押しで、多くの登山愛好家が訪れる人気の山ですが、遭難事故などが多発しています。迷いやすく、終始気の抜けないルートですので、初心者だけで入山せず、ベテランの方に同行してもらいましょう。

主なルート

鹿川・宇土内谷ルート
宇土内谷登山口…石塚…山頂(片道約2時間)
このルートは岩場などの危険なところがなく、最も簡単に大崩山の山頂に立てます。初心者にはお勧めです。しかし、岩々の迫力ある景色などの魅力を感じる事は出来ないルートです。春のアケボノツツジの時期には花のトンネルになるので、その時にはお勧めです。※登山道に到着するまでの林道が悪いため、注意が必要です。

祝子・ワク塚・坊主尾根ルート
大崩山登山口…大崩山荘(無人)…渡渉点…袖ダキ…ワク塚…石塚…山頂…坊主尾根…渡渉点…大崩山荘…大崩山登山口(周回約8時間~10時間)
最も大崩山の魅力を満喫できる代表的なルートです。充分な体力と経験が必要です。

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大崩山(おおくえやま) 宮崎県延岡市北方町 標高:1,643m

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